２００９年４月２０日

■大会実行委員長あいさつ■

　大会実行委員長を頼まれたことを契機として、自分が年をとったことにあらためて気づかされたと同時に、障害のある子どもたちとのこれまでのかかわりをふりかえってみました。ここでは、そのことにすこしふれることであいさつに代えたいと思います。

　血気盛んな文学部の学生だった頃、ストライキなどで授業がほとんどなく、友人に誘われ障害児のボランティアサークルに入りました。そこには今の仕事へとつながるいろいろな出会いがあり、また自分自身の変化がありました。重度の脳障害のため就学免除で在宅の子ども、筋ジストロフィーのため車いす生活の子ども、養護学校の寄宿舎で生活している肢体不自由の子どもなど、彼らと一緒にキャンプをしたり、町にグループで出かけたりなどのプログラムを行う中で、また親ごさんとの話の中で、新鮮であたたかい人とのふれあいを経験しました。他者とコミュニケーションをとるのが苦手であった私も、彼らとのかかわりの中で自分を素直に表現することの心地よさを感じるようになりました。後に障害児の医療や教育に進んだのも彼らとのかかわりに帰因するように思います。

　医学部に再入学し小児科医となり重症心身障害児・者の施設に勤務していたときのことです。入院中の子どもたちに対して訪問教育の先生がプレールームで彼らを抱いて歌を聞かせたり、ベッドサイドで寄り添って話しかけたり本を読んだりしている姿をよく見かけました。私はその教育の意味がよくわからず、先生の自己満足に過ぎないのではとも思っていました。しかし、義務教育期間が終了し、先生が来なくなると、緊張がきつくなって身体の変形が進んだり体調を壊したりする子どもがいました。私はそれを診て教育やかかわりの継続の重要性を教えられました。

　現在は教育大学で障害児医学や障害児教育にかかわっています。２年前からの新しい特別支援教育のカリキュラムでは「重度・重複障害」や「病弱児」についての内容も加わりました。これまでは、医療的ケアなど主に医療の面や重度の障害児のＱＯＬについて講義してきましたが、本大会を機会に訪問教育の現状や課題についても学生に伝えていきたいと思っています。

　最後に、この大会が訪問教育にかかわる教育・医療・福祉など多くの人々に意味あるものになり、訪問教育を受けている一人ひとりの子どものＱＯＬの向上に寄与することを願います。

　地球温暖化の中、京都の夏はさらにむし暑いことが予想されますが、鴨川の納涼床などもあります。研究大会だけでなく古都の夏もお楽しみください。　

　

　　　　＊＊＊　　おおきに　きょうとに　よう　おこしやす　　＊＊＊

　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　全国訪問教育研究会第２２回全国大会実行委員長

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　郷間　英世（京都教育大学発達障害学科教授）

　

■大会テーマ■

　「地域に根ざした訪問教育を進めよう　〜人をつなぐ、命をつなぐ、歴史と未来をつなぐ」

　

■開催日時■

　２００９年８月４日（火）〜６日（木）　開場１２時００分（開会１３時００分）

　

■会場■

　メルパルク京都

　　　〒600-8216 京都市下京区東洞院通七条下ル東塩小路町６７６−１３

　　　　　TEL ０７５（３５２）７４４４　　　　　　FAX ０７５（３５２）７３９０

　

■主催■

　全国訪問教育研究会　

　

■後援■（申請中を含む）

文部科学省・厚生労働省

　全国特別支援教育推進連盟・全国特別支援学校肢体不自由教育校長会

　全国特別支援学校知的障害教育校長会・全国特別支援学校病弱教育校長会

　社会福祉法人全国重症心身障害児(者)を守る会・全国訪問教育親の会・全国病弱教育研究会

　全国肢体不自由特別支援学校ＰＴＡ連合会・社会福祉法人全国社会福祉協議会

　特定非営利活動法人難病の子ども支援全国ﾈｯﾄﾜｰｸ・独立行政法人国立特別支援教育総合研究所

　東京都訪問教育研究協議会

京都府教育委員会・京都市教育委員会　

　

■大会日程■

　

　

■内容■

（１）開催地からの報告　　　 　　　　　 　　　　　 　　(8/4　13:40〜15:00)

　　障害児教育発祥の地、京都は、地域に根ざした特別支援学校作りと、重度の子ども達への全日教　育保障をめざしてきました。このような理念のもとに積み上げられた京都の訪問教育を振り返りな　がら、豊かな自然と文化に恵まれた「美山町田歌」で学んでいる訪問生（京都府立丹波養護学校）　の教育実践について報告したいと思います。

　

（２）大会記念講演　　　　　　　　　 　　　　　　 　 (8/4　15:10〜16:30)

演　題　：「重い障害がある人の身体性、感覚性、関係性と人格、人権」

講　師　：　高谷　清（前・重症心身障害児施設・第一びわこ学園園長、小児科医師）

【講師紹介】

　　全訪研では第３回・第４回大会全体講演、第９回大会（京都）では実行委員長などご協力をい　ただいてきた。「重症心身障害児」「重症児のいのちと心」（青木書店）、「はだかのいのち−　障害児のこころ、人間のこころ」「異質の光　糸賀一雄の魂と思想」（大月書店）、「こどもの　心・おとなの眼ー人間・障害・思想」（クリエイツかもがわ）など著書多数。

　

【講演要旨】

　　障害の重い人は移動できず、そのため空間を認知できず、時間感覚も育たない。自己の身体も　認知しえない。外界とは「感覚」で結びつく。このとき「外的感覚」だけでなく「内的感覚」を　知ることが大事である。意識については「内在意識」を考えたい。人との関係はどのようである　か。そして今日「パーソン論」として、重い障害のある人の生命を奪う「思想」が蔓延してきて　いるのにどう対応するか。

　

　

（３）全訪研総会　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　(8/4　16:40〜17:10)

全訪研の昨年度の活動、今後の活動方針等について総会を行います。

　　　�@活動報告（2008年8月〜2009年7月の全訪研の活動内容）

�A2008年度決算報告、会計監査　　　　　�B2009年度予算

�C活動方針　　　　　�D規約　　　　　　�E役員候補

�F事務局員委嘱　　　�G連絡員委嘱

（４）分科会　 　　　　　　　　 　　　　　　(8/5　9:30〜16:40　※12:00〜13:00は休憩)

●分科会レポートの申込みについて

　　分科会でレポート発表を希望される方は、次の�@〜�Cについて、６月１０日までに下記のレポート担当宛に、必ず、連絡をお願いします。

　

　　�@分科会名・氏名・学校名または所属先名

　　�A自宅住所と電話番号(FAXの有無)・メールアドレス

　　�Bレポートタイトル　　　�C使用する視聴覚器機(ビデオ、パソコン等)

　★大会実行委員会で用意できる視聴覚機器は、原則として、プロジェクターとスクリーンです。その他の機器を使用する場合は、各自でご用意ください。

　

　※レポート、視聴覚機器についての質問は、各担当までお願いします。

　＊当日発表されたレポートの中から全訪研研究集録「訪問教育研究第２２集」に掲載させていた　　だく場合があります。原稿依頼を受けた際はよろしくお願いします。

　

●分科会レポート資料の提出・書式について

�@書式

　＊資料用紙は可能な限りＡ４版でお願いします。ページ数は自由です。

　＊表紙には「発表分科会名」「タイトル」「発表者名（団体名）」を記入して下さい。

　�Aレポートは、各自で１２０部印刷して、下記宛に送付するか、当日持参して受付に提出して下さ

　　い。　　★送付の場合は、８月１日〜８月３日の間に必着でお願いします。

　

　　※会場で、当日印刷は、できません。ご注意ください。

　

（５）夕食交流会　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (8/5　18:30〜20:30)

　　はじめて全訪研大会に来た人は、この筋書きのない、はちゃめちゃで楽しい交流会にびっくりさ　れたことも多いと思います。各地域の出し物では、同じ県にいても、なかなか顔を見たこともない　者同士で、その場で急遽、企画・発表していただき、毎年お世話になりました。今年も、気楽で、　ほっこりとした交流の場にしたいと思います。事前に地域の情報、おもしろ話、何でも結構、担当　（新庄）のアドレスまで教えてくださ〜い！ （sinnjyo5375@hp.tp1.jp）

　

（６）ワークショップ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(8/6　9:00〜11:00)

　

（７）全体会（閉会行事）　　　　　　　 　　　　　　　　　 (8/6　 11:15〜12:00)

　大会最終日の全体会です。以下の内容を予定しています。

・大会宣言

・実行委員長あいさつ　　　　・わくわくクラブ（保育）の活動紹介

・次回開催地への引き継ぎ　　・閉会あいさつ（現地事務局・実行委員）

・歌「小さないのち」

■わくわくクラブ（保育）と緊急時の体制について■

　　実行委員会では、子どもさんや障害があるお子さん連れでも、保護者の方に参加していただきや

　すいように、わくわくクラブ（保育）を設けます。

●時間帯　　次の４つの時間帯でわくわくクラブを実施します。

　　　　　　（a）８月４日（火）　１３：００〜１７：２０

　　　　　　（b）８月５日（水）　　９：００〜１２：００

　　　　　　（c）８月５日（水）　１３：００〜１７：３０

　　　　　　（d）８月６日（木）　　９：００〜１２：００

　

　●緊急時の体制と医療機関（緊急時には、会場近くの病院での対応をお願いしています。）

　

　　　　京都第一赤十字病院　　　 京都市東山区本町15-749　　TEL 075-561-1121(代表)

　

●申し込み

　　・大会参加申込書の「わくわくクラブ（保育）の希望」の欄にご記入ください。

　　・内容によって、別途、おやつ代や見学代等の実費をいただきます。

　　・申込書の受け付け後、お子さんに安全かつ快適に過ごしていただくために、お子さんの医療的　　　ケアや生活ケアについて、お伺いします。

　　・大会当日に、保険証または、そのコピーをご持参ください。

　

　

■資料の請求について■

　大会に参加できないが、資料を請求したいという場合は、大会当日に配布する「大会資料」冊子と分科会レポート（大会資料掲載分）を送付致します。（当日に追加配布された資料はお送りできない場合もありますので、ご了承下さい。）

　下記の郵便口座に資料代（送料込み）として、４，０００円の入金をお願いします。振替用紙の「通信欄」に「資料請求代」と明記して下さい。資料請求の受付は、６月３０日までです。

【資料請求の振込先】郵便振替口座番号「００１３０−２−９５９３４　全国訪問教育研究会」

　

　

■参加費・宿泊費■

�@大会参加費

　・全訪研会員　（３日間）５，５００円　(１日参加：２，０００円　　２日参加：４，０００円)

　・一般　　　　（　〃　）７，０００円　(　〃　　：２，５００円　　２日参加：５，０００円)

　・保護者　　　（　〃　）２，５００円　(　〃　　：１，０００円　　２日参加：２，０００円)

　

※参加費に加えて、お一人につき、５００円の手数料をいただきます。（事前申込み、当日申込みのどちらも５００円の手数料がかかります。）

※会員と一般(会員でない方)は費用が異なりますので、ご注意ください。参加申込みと同時に会員申込みをすることも可能です。参加申込書の「入会を申し込む」の欄に○をつけてください。

　入会には年会費４，０００円が別途必要です。会費は大会当日に全訪研受付でお支払いください。

　

�A食事関係

　　　昼食（弁当）代（２日目 ８／５） 　　　　　１，０５０円

　　夕食交流会参加費（２日目 ８／５） 　　　　６，０００円

　

�B宿泊費　（１泊朝食付きの料金です。夕食は含まれません。）

　　＜からすま京都ホテル＞　地下鉄烏丸線四条駅より徒歩１分

　　　　　シングル　　９，０００円　　　　　　　ツイン７，５００円

　

　　＜三井ガーデンホテル京都四条＞　地下鉄烏丸線四条駅より徒歩５分

　　　　　シングル　　９，０００円

※シングル希望の場合、同じ地域の参加者が同じホテルに宿泊して交流できるよう、こちらで調整させていただきます。参加確認書を送付する際に、ホテル名をお知らせします。

※ツインは、からすま京都ホテルのみです。ツインを希望する場合は、申込書に同室希望者のお名前をご記入ください。

　

　

■申込方法■

�@大会参加者１人につき１枚「参加申込書」にご記入の上、FAXまたは郵送で、下記の送付先へお送り

　ください。

　※参加申込者が複数いる場合は、恐れ入りますが「参加申込書｣用紙をコピーしてお使いください。

　※宿泊がご不要の場合でも、参加申込書は必ず送付して下さい。

　参加申込書（PDFファイル）のダウンロードは、ここをクリック。

　【参加申込書の送付先・問い合わせ先】

　　 大会参加申込締切　６月３０日（火）

　

�A申込受付後、予約確認書・請求書をお送りします。

�Bお送りした予約確認書・請求書の内容をご確認の上、参加費・宿泊費の合計金額を指定口座まで

　お振込み下さい。

　

■お申し込み後の取り消しについて■　　

　ご宿泊の取り消しにつきましては、１件１名につき下記の取り消し料金を申し受けます。

　日数は宿泊初日から起算させていただきます。

　昼食は、３日前より50％、２日前80％、前日・当日100%となります。

※返金については、上記取消料を差し引いた上、大会当日にさせていただきます。

※｢大会参加費｣については返金できません。代わりに関係資料を送付致しますので、ご了承下さい。