絵本「ぼくは海くんちのテーブル」
絵本「ぼくは海くんちのテーブル」 |
| ■タイトル 絵本「ぼくは海くんちのテーブル」 著者 西原敬治 文・ 福田岩緒 絵 定価 １５００円＋税 発行 新日本出版 （渋谷区千駄ヶ谷4-25-6 TEL03-3423-8402） 初版発行 2002年10月10日 ■本書の購入について ■内容 海くんを見守りつづけたテーブルが語る、生きることの尊さ。ごはんを食べたり、おしゃべりしたり、ぼくのまわりはいつもにぎやか。一番元気なのが、一歳の海くんだ。その海くんが、保育所で大変な事故にあった。 病院から帰ってきた海くんは、横になったまま。自分でごはんも食べられない。つらいつらい時間が流れて……。重い障害を受け入れ、前向きに生きようとする海くんと家族の物語。 ■西原さんご夫妻からのメッセージ  朝7時。次男の海はリビングを占領したベッドの上で、柔らかな日差しを浴びながら、気持ち良さそうにこららを見つめています。 海は不思議な子です。 目は見えているのか、耳は聞こえているのか、現代医学をもってしてもわかりません。しかし、彼は美しい花々に囲まれてはうっとりした表情を、心洗われる音楽に接しては満面の笑みをたたえます。 海は恐ろしい子です。 彼には偽善も嘘も通用しません。そもそも、そんなものを彼に用いようという気にさえなれません。人は彼の前に立つとき、真心だけが通用し、自分が持っている地位も名誉も財産も、なんら役に立たないことを思い知ります。 海は面白い子です。 彼がバギーに乗って街を行くと、すべての子が固まります。手にしたソフトクリームはとけ、おもちゃ屋の店先でゲームに夢中になっていた子もポカンと口を開け、彼を見つめます。 海はかわいい子です。 彼のつぶらな瞳を見つめ、やわらかいほっぺたに頬ずりし、その頬と同じ感触の手をそっと握るとき、心の刺が陽光を浴びたツララのようになくなっていくのがわかります。 海は強い子です。 家族のみんなが風邪で倒れても、ベッドの上から彼一人、それを心配そうに眺めています。冒険が好きで、ボランティアと一緒に富士山登頂も果たしました。食いしん坊な彼は、ミキサーで砕けるものなら何でも食べます。 海は平凡な子です。 13歳の男の子らしくおしゃれを楽しみ、ギターを弾き、プリクラを集め、ガールフレンドとハンバーガーショップに行く、そんなごく普通の男の子‥‥‥だったらなあ、と思わなくもありません。 そんな海のことを一人でも多くの人に知ってもらいたくて、この絵本を作りました。どうか手にとってお読みください。 |
